肩甲骨がゴリゴリするのはなぜ?姿勢やライフスタイルなどさまざまな原因が!

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肩甲骨がゴリゴリするのはなぜ?
「肩甲骨がいつもゴリゴリしていて辛い…」
肩甲骨を中心として、背中や肩、首などがゴリゴリと動かしにくさを感じていたり、周辺にこり、痛み、しびれなどを感じているという方は少なくありません。
このような症状は、デスクワークでパソコン作業をしている方に多くみられており、近年ではスマートフォンをよく活用している若い世代にも多くみられています。
仕事でパソコンを使っていると、どんどん肩甲骨や背中、首などにこりや痛みを感じるようになり、肩を動かしてみると「ゴリゴリ」と音を感じるといった症状です。
ゴリゴリといった音によって、痛みを感じることはないものの、動かしにくさを感じることがあり、また左右どちらかに生じることもあります。
また背中や首など、周辺にこりや痛みが生じることも多いので、肩もみしたり、マッサージしたりして様子をみることもあるでしょう。
その時は軽くなった、解消したと感じたとしても、実際には数日すると元通り「ゴリゴリ」と感じるようになり、なかなか改善にまで至らないということが少なくありません。
まずはこのゴリゴリという音の原因について気になるのではないでしょうか。
また同時に引き起こすことの多い、首や肩、背中などに対するこりや痛み、しびれなどを解消したいと感じている方も多いでしょう。
ここでは、そのような肩甲骨のゴリゴリという音の正体について詳しくお伝えしていきましょう。
肩こりとゴリゴリ音は筋肉と筋膜が硬い?!
首や肩などのこりや肩甲骨がゴリゴリと音がなる原因のひとつに、周辺の筋肉と筋膜が凝り固まっているということが挙げられます。
筋肉と筋膜が凝り固まっているというはどういう状況なのでしょうか。
筋肉と筋膜が硬くなってしまうメカニズム
私たちの生活を振り返ってみると、座ったままデスクワークしていることや、同じ姿勢のままスマートフォンを活用しているシーンが多いのではないでしょうか。
特に仕事でパソコン作業をしている方であれば、就業時間が始まってから、休憩時間までほぼ同じ姿勢で作業を行っているということも珍しいことではないでしょう。
またスマートフォンの利用においても、動画やSNSなどに夢中になり、同じ姿勢で見続けていて、気が付いたら数時間経過しているということも多いでしょう。
しかし、多くの方はこのような状況においても、自分自身の姿勢について意識することはなく、首や背中に負担をかけているとしても改善しようとしていないことがほとんどです。
実は、普段私たちが過ごす姿勢にこそ、筋肉や筋膜に負担をかけて、硬くしている原因があるのです。
筋肉と筋膜
首や肩周辺には、複雑に筋肉が形成されており、しかもその筋肉を筋膜によって包み込まれています。
肩こりがひどくなると、肩をマッサージしたり叩いたりといった方が多いと思いますが、その場で良くなったように感じても、また同じ症状に悩まされるといったことが多いのではないでしょうか。
肩の筋肉には僧帽筋や三角筋があり、しかもその周辺には広背筋、上腕三頭筋、前鋸筋などといった多くの筋肉によって形成されています。
つまり肩の筋肉は肩単独に存在するものではなく、さまざまな筋肉と関りを持ちながら形成していますので、肩を揉んだからといって肩に関わる筋肉の一部でしかないのです。
一部の筋肉だけをほぐそうとしても、なかなか良くならなくて当然のことでしょう。
また私たちの筋肉を包み込んでいる筋膜の存在があり、さまざまな筋肉が協調しながら動くようになっているのは、筋膜があるからこそなのです。
筋膜は薄い柔らかい膜状になっており、筋肉や関節を動かすと、滑るようにして動くようになっています。
しかし姿勢が悪かったり、同じ姿勢を続けてしまうことで、そのままの形で凝り固まってしまい、筋肉や筋膜の血流が悪くなり硬くなってしまうのです。
肩こりやゴリゴリ音には、姿勢やライフスタイルなどさまざまな原因があります。

肩こりやゴリゴリ音が気になる方は多く、その原因が日々のパソコン作業やスマートフォンなどにあると考えている方は少なくありません。
しかしその原因が姿勢やライフスタイルにあるということまで意識している方は、それほど多くないのが実態ではないでしょうか。
ではどのような姿勢やライフスタイルが、肩こりやゴリゴリ音の原因になってしまうのかお伝えしていきましょう。
姿勢
姿勢を意識するうえで、一番考えておく必要になるものが「頭の存在」です。
私たちの頭は細い首によって支えていることが分かりますが、頭の位置を体の中心にしておくことが一番適切な位置であるといわれます。
しかし、頭を少し前かがみにするなどした場合、かなり大きな負担になることが分かっています。
頭は体重の10分の1程度であると言われており、50㎏の体重の方であれば5㎏程度になります。
しかし少し首を前に曲げたような状態になった場合には、20㎏程度の負荷がかかっていると言われています。
そのため普段から姿勢の悪い方や、家事や仕事など特定の時間などに姿勢が悪くなってしまう方であれば、常に大きな負担を肩甲骨や首などに負担をかけていることになるのです。
ライフスタイル
特に近年、肩こりや肩甲骨のゴリゴリ音に悩む方が増えているといわれますが、それはライフスタイルの変化になると考えられています。
デスクワークであればパソコンを使うことが当たり前となり、事務員でなくともパソコン作業をするという方はとても多くなっています。
特にノートパソコンを使用した場合においては、少し首を前に曲げて画面をみるような姿勢が続きますので、首や肩、背中に負担をかけてしまうのです。
スマートフォンの使用においても同様のことが言えます。
スマートフォンを使用している間は、胸元のあたりで使用していることが多く、首を曲げたままの姿勢であることが多いのではないでしょうか。
そのため、肩こりや肩甲骨のゴリゴリ音は若者世代においても増えている現状があります。
もしそのような症状に悩むのであれば、まず自分自身の姿勢を見直すことが大事であると言えるのではないでしょうか。
肩こりとゴリゴリ音を生み出すメカニズム

先ほど、肩こりとゴリゴリ音を生じさせる原因は、姿勢不良によって緊張を与えてしまい、筋肉や筋膜が硬くなってしまうためであるとお伝えしました。
ではなぜ緊張を与えると、筋肉や筋膜は硬くなってしまうのでしょう。
筋肉や筋膜には、多くの血管があり血液によって栄養を運び、疲労物質を除去させています。
また神経も張り巡らされており、必要なシーンでは筋肉を動かし、またリラックスさせるようにしています。
しかし姿勢不良によって緊張を与え続けてしまうと、血流が悪くなってしまい十分な栄養を運ぶことができなくなり、疲労物質を蓄積させてしまいます。
また緊張を与え続けることによって、いつまでもリラックスさせることができなくなってしまうのです。
さらにパソコンやスマートフォンによって目を酷使することによって、目の周辺筋肉や神経を緊張させてしまい、肩こりや肩甲骨のゴリゴリ音を生じさせるということも起きてしまいます。
このように複雑な要因が絡み合って生じさせている症状ですので、うまく解消していくことが大事になってくるのです。
原因に応じた肩こりやゴリゴリ音を解消させるポイント
肩こりや肩甲骨のゴリゴリ音が気になる場合、その原因となるものに応じて対処することがいいでしょう。
ここでは、原因となるものをいくつかピックアップし、解消させるポイントをご紹介していきましょう。
姿勢が悪い場合
日常的な姿勢に問題があると考えられる場合には、正しい姿勢を保つようにして、マッサージや鍼灸、筋膜に対するアプローチ(筋膜リリースなど)などに取り組んでいくといいでしょう。
姿勢不良がある場合には、筋肉や筋膜が硬くなってしまっており、血流が不足している状態になっていることがあります。
そのような場合には、筋肉をほぐしたり、筋膜の歪みを整えながら、姿勢不良の改善に取り組んでいくと効果的です。
運動不足の場合
運動不足になれば、筋肉量が少なくなってしまい、それだけで血流が悪くなってしまいます。
首が筋肉によって支えることができなくなってしまい、さらに血流を悪くしてしまう悪循環に陥ってしまうのです。
肩を動かすようなストレッチや水泳などが効果的で、ウォーキングやジョギングなど全身の血流を意識した運動もおすすめできます。
環境によるものの場合
椅子や机が体にあっていない、エアコンなどで体が冷えてしまう、パソコンの高さが低い、などといった環境によって首のこりや肩甲骨のゴリゴリ音を生じさせていることもあります。
環境にそもそもの原因があるということです。
そのような環境に気付いたのであれば、自身で調整したり、環境を改善するような工夫が必要となります。
また環境によるストレスが原因になることもあります。
ストレスは血流を下げてしまうことがありますので、ストレスを解消するような取り組みも重要になります。
肩こりやゴリゴリ音の原因を知り、自分で対策を実践しましょう!
上記でもお伝えしている通り、肩こりやゴリゴリ音は、姿勢が悪い場合や運動不足、あるいは環境によるものであることが、とても多い原因となっています。
それらが原因である場合には、その原因をできる限り排除するか、もしくは何かしら対策を講じることによって、悩みを取り除くことが期待できます。
もちろん肩こりやゴリゴリ音の原因はそれだけではなく、中には病気が隠されていることもあります。
気になる症状が続いていたり、ひどくなるようでしたら早めに整形外科を受診するようにしましょう。
ここでは、どのような対策があるのか、詳しくご紹介していきます。
[1]長時間の作業で疲労しないように注意してください
肩こりやゴリゴリ音の症状に多いのが、長時間にわたって同じ動作を繰り返しているということがあります。
自分自身は気付かない間に、肩や首、肩甲骨などに疲労が蓄積して、血流が悪くなっていることがあります。
例えば一時間、作業をし続けたとしたら10分程度、休憩を入れるようにして負担を軽減させるようにしてください。
特にスマートフォンやパソコンの使用の場合には、集中して目を疲れさせることによって、こりや痛みが生じることもあります。
[2]可動域で肩甲骨の硬さを確認します
肩甲骨が硬く緊張していることによって、肩こりや肩甲骨のゴリゴリ音はひどくなってしまいます。
これからご紹介する4つの動作において、肩甲骨の硬さを確認することができます。
順番にご紹介していきましょう。
【1】オフィスでできる「肩甲骨ゆるみストレッチ」
パソコン作業は肩甲骨周辺の筋肉に緊張を与えてしまいますので、1時間作業したら「肩甲骨ゆるみストレッチ」に取り組むといいでしょう。
オフィスでも簡単にできるもので、肩甲骨の状態を確認することもできます。
肘を曲げた状態で、地面と並行になるように肘を上げ、肘を後ろまで引いていきます。そのまま10秒ほど保持して、力を抜くようにします。
肩甲骨同士がしっかりと寄せられないのであれば、肩甲骨が硬くなっています。
その場合であれば、この動作を行うことによって肩甲骨をゆるませることができまので、しっかりと取り組むようにしましょう。
【2】首から肩にかけて働く「僧帽筋ストレッチ」
首から肩、肩甲骨にかけて形成されている「僧帽筋」をストレッチすることによって、肩甲骨周辺の緊張状態を確認することができます。
次のストレッチにチャレンジしてみてください。
- 片側の手を背中に回して、反対側の肩甲骨をタッチします。
- 両手を背中に回して、背中で合掌します。
- 片側の手を下から背中に回して、もう片側の手を上から背中に回して両手を組みます。
この動作ができない場合には、肩甲骨周辺の僧帽筋に緊張が生じていますので、この3つの動きを重点的に取り組むといいでしょう。
【3】胸をしっかりと開く「ひじ内転」
胸をしっかりと開くことによって、肩甲骨を内転させて動きの状態を知ることができます。
手を頭の後ろで組んで、ひじを内側から外側へ開いていきます。
この時にできる限り、背中や腰は反らさないようにして、胸だけが開いていくようなイメージで取り組んでいきます。
肩甲骨同士が内側によせられることによって、肩甲骨周辺の僧帽筋をストレッチすることができますが、できない場合には肩甲骨周辺の筋肉に緊張が生じています。
【4】小指がポイント「パソコン作業中の美しさ」
パソコン作業において肩甲骨が硬くなってしまうポイントは「小指」にあると言われます。しかもパソコン作業の効率をアップさせる秘訣も小指であると言われています。
パソコン作業して肩甲骨がゴリゴリするという方であれば、親指を軸にしてタイピングをしているのではないでしょうか。
親指を軸にした場合、姿勢が崩れてきてどうしても肩や肩甲骨に負担がかかるようになってしまうのです。
しかし小指側を軸にしておけば、肩甲骨が開くようなポジションになるために背中への負担がかかりにくいのです。
小指側を軸にしてタイピングするようにすれば、パソコン作業の効率も良くなりますのでぜひ取り組んでみてください。