寝違えによる首の症状を改善させたい~主な症状と原因、治療、予防法について

朝起きると首が痛く、数日間は動かす際に痛みを感じるという経験をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
寝違えの症状は誰しもが経験を持っている身近な症状ではありますが、首が急に痛くなってしまうことから、仕事や家事などに大きな影響を与えてしまいます。
多くは数日間、痛みが継続してしまい、場合によっては1週間から10日程度も痛みが治まらないということもあります。
睡眠時の姿勢に原因があるケースが多く、身体に負担をかけないように過ごすことが、予防や対処法として有効であると考えらています。
寝違えの主な3つの症状とは
- 起床時より首に筋肉痛のような痛みがあり動かすと痛い
- 痛みのために横を向くなど首を自由に動かせない
- 手が痺れたり肩こり、背中の痛みを伴うことも
寝違えは多くの場合、起床時から急に首やその周辺に対して、痛みや違和感を強く感じます。
痛みを伴うために、首を傾けたり、横を向いたりするような動作ができず、仕事や学業、家事などすべての生活上の動作に支障をきたすことになります。
症状が重い場合においては、手に痺れを伴い、腕が上がらないようなこともあり、肩甲骨を中心に背中に痛みを生じることも珍しいことではありません。
起床時より首に筋肉痛のような痛みがあり動かすと痛い
寝違えは起床時より急に痛みだすことが多く、首に対する筋肉痛のような症状があり、痛みによって動かせなかったり、一部の方向だけしか動かせないということが起こります。
これは睡眠時に身体に対して負担をかけてしまうことから、首や肩、背中などの血流が悪くなってしまう血行不良が原因であると考えられています。
また睡眠時の姿勢不良によって、首周辺に通っている神経を圧迫させてしまうことによって引き起こされるものであるとも知られています。
痛みのために横を向くなど首を自由に動かせない
寝違えの痛みは不快で強く、首を傾けることや横を向くことなど、自由に動かすことができない場合が少なくありません。
また症状が重い場合においては、腕の痛みによって自由に動かすことができなかったり、背中の痛みによって起き上がれないということも起きてしまいます。
軽症の場合であれば、数時間程度で少しずつ痛みが治まってきて、徐々に首も動かせるようになります。市販されているロキソニンなどの鎮痛薬を服用したり、湿布薬を貼付することによって治まることが多いです。
ただ症状によっては数日間、痛みが治まらないようなこともあり、市販薬を服用しても効き目が現れないということも少なくありません。
いつまでも症状が治まらない、症状を繰り返してしまうということであれば、別の疾患が隠れているようなこともありますので、整形外科などに受診する必要があります。
手が痺れたり肩こり、背中の痛みを伴うことも
寝違えは首の痛みだけではなく、肩から腕にかけて痺れを伴い、腕を動かすことができないことや、肩甲骨の痛みが強く現れるようなこともあります。
寝違えは首の捻挫によって引き起こされる症状ですから、首周辺の骨格の歪みによって神経を圧迫している可能性があり、そのため痺れや痛みといった神経症状が現れるのです。
特に日常的に姿勢が悪く、猫背気味の方であったり、デスクワーク中心の方やスマートフォンを頻繁に利用する方、運動不足の方には、このような痺れを伴う症状が多くなっています。
このような症状が現れる場合においては重症度が高いことが多く、一週間以上も首や肩、背中に痛みや痺れなど違和感を感じることもあります。
首周辺にある胸鎖乳突筋や背中周辺の僧帽筋が炎症を起こしていることが考えられますから、市販薬で効果が見られないような場合には、すぐに病院やクリニックなどに受診することをおすすめします。
寝違えの原因と病理

寝違えの原因はさまざまなものがありますが、主な原因としては睡眠時の状態にあると言えます。
睡眠時に身体に負担をかけすぎてしまうために筋肉が硬直するために引き起こされる症状なのです。
つまりスポーツなどでみられる「肉離れ」の状態であると言え、筋肉に負担をかけず硬直させないようにするのが、寝違えの予防となるのです。
寝違えの主な2つの原因
- 睡眠時の姿勢
- 睡眠環境
寝違えは、朝起きた瞬間から首や肩、背中などに痛みを感じますが、寝る前まではそのような症状はありません。
さまざまな原因が絡み合っていると考えられていますが、やはり睡眠時に症状を引き出す重要なきっかけがあることに間違いありません。
特に原因として挙げられるものに「睡眠時の姿勢」「睡眠環境」があります。みなさんが良いと感じている睡眠方法は実は身体には大きな負担となっているのかもしれません。
私たちの頭は首が支えていますが、その重さは体重の一割程度あると言われます。
睡眠時の姿勢が悪いと、首周辺の筋肉に大きな負担をかけてしまうことになり、筋肉が硬直することによって血流が低下してしまうことになるのです。
また睡眠時の姿勢において、脇の下にある腋窩神経を圧迫し続けることでも寝違えを起こすと考えられています。横を向いた姿勢などを続けていることで腋窩神経を圧迫し、血行不良によって首に痛みを生じさせるのです。
そのような状態で起床時に首を動かすと、寝違えの状態となってしまいます。
また首周辺の筋肉に負担をかけてしまう要因として、睡眠環境にある場合が少なくありません。
身体が沈みすぎてしまうようなマットレスの場合、うまく寝返りができなくなってしまい、同じ部位ばかりに負担をかけてしまい、血行不良をおこしてしまうのです。
このようなことから、寝違えは睡眠時にある場合が多くあり、快適な睡眠を取れるように工夫すると、それがそのまま寝違え対策となるとも言えるでしょう。
寝違えの原因は軽度の肉離れ?!
寝違えは首周辺などの血流の低下によって引き起こされる症状ですが、痛みが生じる際には筋肉が軽度の肉離れを起こしている状態であると言えます。
肉離れと聞くと驚かれるかもしれません。筋肉が断裂してしまう症状のことをさしており、激しいスポーツなどによって太ももやふくらはぎなどに見られる激しい痛みです。
寝てるだけで肉離れを起こすと言うと信じられない方もおられるかもしれませんが、肉離れは筋肉に負担をかけすぎて負荷に耐えられなくなった状態であり、まさに寝違えの症状と同じなのです。
肉離れの予防としては、筋肉を緊張させないようにすることが大事ですが、寝違えも同じように筋肉に負荷をかけないように注意して過ごすことが必要なのです。
寝違えの治療と予防法

寝違えは痛みが生じる部位を炎症させていますので、一般的には安静にして過ごしておけば一日から数日程度で改善します。
痛みが強い場合においては、市販の鎮痛薬を服用したり、保冷剤などで冷やすことが効果的です。またマンガ『ゴッドハンド輝』で紹介されている、寝違え時の運動療法が効果ですので改善方法のひとつとしてご紹介しましょう。
繰り返し症状を引き起こしやすい方であれば、予防法に努めておくことも大事になります。
寝違えの治療
- 安静にする
- 保冷剤や湿布で冷やす
- 市販薬を利用する
- 病院やクリニックに受診する
朝起きて、寝違えしていることに気付いた場合には、まず安静にすることが何よりも大切です。多くの場合では一日から数日程度、安静にしておくことで症状は治まります。
先ほどもお伝えしている通り、寝違えは軽度の肉離れですから、マッサージしたり、無理に動かして改善させようとすると、さらに悪化させてしまいますので注意が必要です。
また温めてしまうと炎症がさらに悪化してしまいますので、保冷剤や湿布を貼付して様子をみるといいでしょう。
仕事などで休めない場合には、ロキソニンなど市販の鎮痛薬を服用しておくと、痛みが和らぎ過ごしやすくなります。
市販薬を飲んでも痛みが治まらなかったり、数日経っても痛みが軽減しなかったり、何度も寝違えを繰り返してしまうようであれば、病院やクリニックを受診するようにしましょう。
『ゴッドハンド輝』で話題になった首 寝違えの治し方
『ゴッドハンド輝(てる)』という病院を舞台にしたマンガがあり、その中で寝違えを治しているシーンがあり、話題となっていますのご紹介しておきましょう。
■運動①
- 首の痛みが生じる側の腕を後ろに引き上げていきます。
- 腕が止まるところで20秒キープし、ゆっくりおろします。
- これを2セット繰り返します。
■運動②
- 首の痛みが生じる側の手のひらで、腰のあたりを軽く押さえます。
- そのままの状態で肘を後ろ側に引きあげていきます。
- 肘が止まるところで20秒キープします。
- これを2セット繰り返します。
■運動③
- 首の痛みが生じる側の手を肘角120°でバンザイする
- その角度のまま腕を軽く後ろに引いていきます。
- 腕が止まるところで20秒キープします。
- これを2セット繰り返します。
寝違えは脇の下にある腋窩神経を圧迫することによって血行不良となり、首の痛みを生じさせてしまうことがあります。
この場合、首や肩に直接的な問題があるわけではありませんので、脇下の腋窩神経を解放し、血流を改善させてやることによって首の寝違えを改善させることができるのです。
上記で紹介されている方法は、いずれも腋窩神経を解放させる方法で、かなりすっきり治る方法として注目されています。
ただし痛みが強い場合には、無理せず安静にするようにしてください。
寝違えを予防する方法
- 正しい姿勢で眠るように心がける
- 首や肩のストレッチ
- 生活リズムを整えるようにする
- 深酒を控えるようにする
寝違えを予防するためには、首周辺の筋肉や神経に負担をかけるないように心がけることが大事で、そのためには上記にかかげる予防法に努めるようにしましょう。
睡眠時の姿勢についてはとても大事ですので、繰り返し引き起こしてしまう方であれば、枕や寝具を見直してみることもひとつの方法です。
またデスクワークやスマートフォンを利用する際の姿勢に気をつけるようにし、就寝前に首や肩のストレッチをしておくと効果的です。
そして何よりも生活リズムの構築が大事で、夜更かしや深酒をしてしまうと、睡眠状態が悪くなってしまい、睡眠時の姿勢が悪くなって寝違えを引き起こす原因となってしまいます。
「酔っ払って寝ると眠りやすい」という方で、寝違えを繰り返している場合であれば、それは飲酒が原因によるものかもしれません。
間違った睡眠で寝違えを防ぐ4つの方法
- 体内時計を整えるために朝日をしっかり浴びる
- 日中は活動的に過ごす
- 夜はリラックスして過ごす
- 休日は遅くともいつもの2時間以内に起床する
間違った睡眠による寝違えを防ぐために、ここでは4つの方法をご紹介します。
「ぐっすり眠った気がしない」「寝違えをよく起こす」という方であれば、記事を参考にして取り組んでみてください。
体内時計を整えるために朝日をしっかり浴びる
私たちには体内時計が備わっており、その時計は24時間周期ではありません。しかし朝日をしっかりと浴びることによって、その時計がリセットされ、周期的に生活ができるようになっています。
この体内時計の中心は脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)という部位にあり、体内時計は体内のいたるところに存在します。
朝日を浴びることによって就寝前から脳内ホルモンであるメラトニンが分泌されるようになり、自然な睡眠に導いてくれるようになるのです。
良い睡眠状態を得ることができますので、寝違えを起こしにくくなります。
日中は活動的に過ごす
日中は活動的に過ごすことによって、脳内に疲労物質が蓄積するようになります。
疲労物質を蓄積させることによって、より良い睡眠に導いてくれるようになりますので、夜間にぐっすりと眠ることができるようになるのです。
ぐっすりと眠ることによってしっかりと寝返りできるようになるために、身体への負担や神経の圧迫が少なくなり、寝違えを起こしにくくなります。
夜はリラックスして過ごす
夜は就寝の2時間前くらいからはリラックスして過ごすようにすると、うまく入眠しやすくなります。
私たちには自律神経が備わっており、緊張とリラックスを無意識に切り替えるように出来ています。
緊張状態のまま寝てしまうと、そのまま身体も興奮を維持したまま睡眠してしまいますので寝違えを起こしやすくなってしまうのです。
睡眠前には入浴やスマートフォンの利用を避けるようにして、心身が興奮しないように工夫して過ごすようにしましょう。
休日は遅くともいつもの2時間以内に起床する
忙しい方であれば休日に寝だめをしてしまうという方も多いでしょう。しかし休日の寝だめは生活リズムを崩してしまうことに繋がり、良質な睡眠が取れなくなってしまうことがあります。
そのため休日であっても、普段の起床時間の2時間以内には起きるようにして、生活リズムを崩さないようにします。
日常的に生活リズムを心がけておくことによって、寝違えを予防することができるのです。